2024.6.28 / 初級コース)明治の遺構を探しに。幻の大仏鉄道巡りコースをご紹介!

幻の大仏鉄道。

存在はだいぶ前から知っていましたが辿ったことはありませんでした。
と、いう事で加茂駅スタートで遺構巡りサイクリングをしてみました。

 

スタート:JR加茂駅前
ゴール:大佛鐡道記念公園
距離10.98㎞、総上昇量187m
ルートマップ詳細はこちら

 

・サイクリングレベル レベル1★☆☆☆☆
距離も短く、急な勾配変化も無いので、サイクリングと遺構巡りを楽しめます。
途中500m程未舗装路があります。オフロード走行に不慣れな方は押し歩きましょう。

*参考
レベル1子供連れでも楽しめる/レベル2初心者の方が楽しめる/レベル3しっかりとした疲労感(びわいちなど)/レベル4距離に加えコースもハード(あわいちなど)/レベル5寿命が縮まる極悪イベント

 

記事作成:ツアー担当原

 

・大佛鐡道とは?
明治31年(1898年)から明治40年までの9年間、関西(かんせい)鉄道によって運行されていた路線です。加茂~木津ルート(現在の関西本線)が開通した事により、黒髪山など難所の多いこちらは廃線となりました。営業期間が極端に短く、当時の資料もあまり残っていない事から「幻の大仏鉄道」などと呼ばれています。
絵本「イナズマごうがやってきた」のモデルとしても知られているそうですね。

 

 

さてスタートはJR加茂駅前です。

奈良方面を向いて走り始め…と思いきや1つ目の遺構がさっそくあります。

こちらは現在もJRが使用されているそうです。
当時は列車の灯火類に使用するオイルなどを保管していたそうです。可燃性のものなので頑丈なレンガ造りになっているのですね。
前照灯や客車内がオイルランプというのはかなり暗そうなイメージ…。
現代のLEDなどと比べたら当然不便なんでしょうが、それまでの家庭用照明器具と言えば行灯だったそうなので、それと比べれば相当明るく便利だったのが想像できますね。

 

続いてこちらは詳細がわからなかったのですが、ランプ小屋の裏あたりに貼ってありました。加茂駅構内にも当時の遺構が残っているそうです。金網越しに一生懸命探しましたが見つけられませんでした。

 

さて、再スタート。駅前を南下していきます。

 

遺構とはまったく関係ありませんがこちらのお店現役で営業されているようです。こちらも歴史を感じますね。

 

加茂小学校前を通過。    

撮影したのは5月中旬ごろだったと思います。ちょうど田植えの季節ですね。

小さな橋を渡り川沿いに進みます。

 

左に分岐。わかりにくいのですが案内地図も立っています。

こちらは現在のJR関西本線の橋脚です。遺構感ありますが現役です!

 

それもそのはず、現行の橋脚の南側に2つ目の遺構、観音寺橋台があります。
下の写真は手前が観音寺橋台で奥側がJR関西本線です。
タイミングが合えば、遺構+現役電車が通過する様子を撮影できますね。

 

さてそのまま奥に進みます。このあたりから路面が少し悪くなります。

 

 

こちらにも案内板が立ってますね。

 

鳥居を越したあたりから砂利道が500m続きます。タイヤの細いロードバイクはこのあたりだけ押し歩く方が安全ですね。

 

オフロード区間おわりです。

 

3つ目の遺構、鹿背山橋台です。

 

道なりにまっすぐ進むと木津駅の東側エリア「城山台」が見えてきます。

ここ少しわかりにくいです。小さな道に入る感じです。

4つ目梶ヶ谷隧道(すいどう)です。隧道とはトンネルの事ですね。

各遺構には解説があるのでちゃんと読みましょう。
イギリス積みというのは長いレンガの列と短いレンガの列を交互に組む方式だそうです。

隧道(トンネル)をくぐり左へ。

5つ目、赤橋です。
見上げると橋の部分は石と木材でできていました。

 

赤橋をくぐり右へ。

城山台の端っこにでました。

ルート的にはこのまま真っすぐですが、右に曲がって城山台に寄り道。城山台には7件ものパン屋さんがあります。せっかくなのでおやつとして買ってみてもいいかもしれませんね。
私が立ち寄ったのはブーランジェリーリッシュさん。城山台のパン屋さんは10~11時開店が多いのですがこちらは9時から開いています。

 

枝豆チーズのパンを買いました。ファミリーマート木津梅美台店で紅茶も買って梅美台公園で頂きました。こういう時、ビニール袋をぶら下げての運転は危ないのでフロントバックを付けておくかサコッシュを持っておくと便利ですね。

 

ルート解説に戻ります。

手前の矢印の先っぽ辺りが井関側橋梁跡です。遺構っぽいものは見当たりませんが、下に川が流れているので恐らくこの橋自体がそうなのでは?という感じでした。次に進むには奥の矢印の通りです。

関西鉄道の社章です。階段を降りると遺構がまたひとつあります。

階段を上がり、梅美台西交差点を奈良方面へ進みます。

 

遺構とは関係ありませんが、こちらは木津南配水池です。クッパ城とかバベルの塔とか言われてますが、デザインイメージははなんとタケノコ(!?)
現在正式な名前があり「タツタタワー」です。お隣にあるタツタ電線さんが年間100万円で命名権を購入しているそうです。

少し交通量が増えます。曲がった先で側道に入るのですが、案外車が来るので注意してください。

鹿川隧道です。こちらは農業用の水路ですね。

 

ローソン前の道に戻り奈良方面へ南下します。

 

国境食堂前を通過。
隠れがちですが同じ敷地にあるステーキ道楽は結構な名店です。しかしさすがにサイクリング中にステーキは合いませんね

そのままどんどん奈良方面へ南下。

 

皆さんご存じ黒髪山トンネル跡です!当時の車両ではこの勾配を抜けるのが大変だったと有名ですね。明治時代にトンネルを作るのは今とは比べ物にならない労力がかかったと思われます。
今は「吹き抜け」程度の印象ですが、白黒写真を見るとこの場所が本当に山をくり抜いた事がわかりますね。昭和40年頃まではトンネルとして残っていたそうなので、昭和30年以前にお生まれの方なら当時トンネルだった頃の記憶もあるのではないでしょうか。

 

こちらも遺構とは関係ありませんが、鴻池運動公園。
実はいろいろ改良が進んでいて、スケボーパークの新設、競技場奥の遊歩道の再整備がされています。2024年4月には駐車場の一画にランステーションも出来ました。400円でロッカーやシャワーなどが利用できるそうです。仕事帰りにも寄れるよ!という感じですかね。

さあ残すところあとわずかです!

 

ゴールです!このあたりに「大仏駅」があったそうです。
現在は周囲を住宅に囲まれている為、駅があったとは想像しにくいです。
鉄道や駅舎を建てるのに使用される鉄やレンガなどは今よりも貴重だったでしょうから、廃線となれば使えるものはさっさと引っぺがして転用したりしたのでしょうか。場所的にも奈良の中心部に近いので遊ばせておくには勿体ないですしね。

 

ちなみに、舟橋商店街手前の橋にも遺構があるそうです。
川底にレンガ造りが残っているのですが、上からでは目視できません(たぶん)
でも鹿は発見しました。どのように出入りしているのでしょうか。下って来ているのかな…?

最後に、舟橋商店街を真っすぐ進むと小さなおむすび屋さん「我が家」さんがあります。
店内はスピッツの流れる落ち着く空間です。季節の良い時なら持ち帰りで佐保川沿いで食べてもいいかもしれません。駐輪スペースは無いのでご注意ください。

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