PANASONIC / パナソニック FRCC42 フレームセット ¥82,500-(税込)
CPベージュ サイズ510(適応身長目安164~175cm)
試乗車です。一口にロードバイクといっても様々な種類がありますが、このFRCC42は僕が思う「本当に疲れない、楽に遠くへ行ける」ロードバイクとして、そして価格もそれほど高くならないように組みました。
ロードバイクの軽快感を楽しみたい。でも「ロードスポーツ」ではなくて「景色を楽しむサイクリング」が目的の人には是非一度試して欲しいです。
FRCC42は、国産のラグ接合クロモリフレームでありながら¥82,500-と、とても良心的な価格。塗色やロゴの大きさなどもオーダーでき、納期が約3週間というサービス精神も日本メーカーらしいです。
オーダーカラーなどについては、パナソニックのホームページをご覧ください。カラーシュミレーターもあります。
この試乗車の仕様で価格は税込23万円ほど。※厳密には私物の余りパーツも仕様しているので、同等グレードで計算した場合。
パーツの価格を抑えれば、17~18万円程でも組めます。初めてのロードバイクとしてもおすすめですし、もし2台目なら既に持っているパーツを無駄なく使って予算も抑えられます。
クロモリフレームは耐久性も高く、パナソニックは昔ながらの職人気質で精度もピカイチ。相当な大事故に遭わない限り、間違いなく一生ものです。
そしてクロモリ独特の“しなり”は、楽に遠くへ行くためのバイク作りに最適です。
※“しなり”やクロモリのメリットについては過去の記事もご覧ください↓
クロモリロードバイクのメリット、デメリット。どんな人に会うのか?
さらに、遠乗りロードバイクを組むときに重要なパーツが、ハンドルとタイヤ。
市場に出回る多くのロードバイクはレースバイクをお手本にしているので、そのままでは「ゆる乗り」派にはマッチしにくいです。
※サドルも大事ですが、個人差が大きいのでここでは触れません・・・
楽に乗りたいなら、ワイドでショートドロップなハンドルがおすすめです。
ワイドはハンドル全幅のこと。一般的なドロップハンドルが400mm前後なのに対し、この試乗車で使っているDIXNA CROSSの“Bandy / バンディー26”は下ハンドルの幅が470mm。幅が広いと安定感が全然違います。呼吸もしやすく、なにより不思議と気持ちにも余裕ができます。
ショートドロップは、上下に潰したようにコンパクトな形。普通、ハンドルの上下の高さ(ドロップ)は120~130mmくらい。このバンディーは100mmです。上下の落差が小さく、しかも手前に長い。だから下ハンドルを握っても戦闘的な姿勢にはならず、リラックスできます。力まず、でも向かい風はよけつつ、乗車姿勢を変えながら走れば疲労も軽減されます。
速く走るためのドロップハンドルではなく、楽するためのドロップ。グラベルロードで使われることの多いタイプですが、ツーリングにもフィットします。普通のロードバイクしか乗ったことのない人が体験すれば、そのリラックス感に驚くはずです。
タイヤは28mm幅を。僕の経験上ですが、ロードバイクらしい軽快感をしっかり残しつつ楽なツーリグバイクにしたいなら、28mmがベストです。そして予算が許す限り、しなやかで軽いものを。タイヤは振動吸収性と安定感に多大な影響を与えます。お金をかけるべきポイントだと思います。
変速機はフロントシングル(前の変速機が無い)のSHIMANO GRXで組みました。トップスピードを求めないならこれで十分。坂を登りやすい軽いギアを重視しているので、峠は全く問題ありません。チェーントラブルの心配もなく、シンプルな操作感でいっそうリラックスできるバイクに。
ブレーキとシフトケーブルは、日泉ケーブルのクリアーブラウンを。透明感のある綺麗な茶色です。ケーブルは大して目立たないようで、実はバイクの見た目の印象を大きく左右します。日泉ケーブルは淡い中間色もラインナップしていて選ぶのが楽しい。カスタマイズでおすすめのブランドです。
ハンドルにはチネリのコルクバーテープ。あらゆる細かいパーツも最初から好きに選べるのがフレーム購入の良いところですね。
ステムはスレッド式。重量はちょっと重くなりますが、すっきりしたシルエットが魅力です。NITTO NPステム。
ロードバイクは軽ければ良いというわけじゃない。かと言って、いくら乗り心地が良くても重すぎれば爽快感が失われます。乗り手にとってベストバランスは違うわけですが、今市場に出回っている多数のロードバイクって、日本で多くの人が求めているバランスに対してズレているように思います。軽さ、スピード重視の方に。
本当に全く初めてロードバイクに乗った瞬間は、とにかく軽さ速さに魅了されるわけですが、購入所有して遠出してみたら、硬くてすぐ疲れてしまう。そしてあまり乗らなくなってしまう。残念ですが時々聞く話です。
“その人にとって正しいバランス” のロードバイクを選べるかどうかが、趣味として長く続くかどうかのポイントかもしれません。
このFRCC42試乗車は、加速やトップスピードはレースバイクに及びません。でもロードバイクらしい軽快感を感じつつ(実測重量9.6kg)、長距離サイクリングで景色を眺める余裕を残せる良い塩梅に仕上がりました。
ロードバイクにもかなり幅の広い性格があること。自分に合ったバランス(軽さ、楽さ)って、どれくらいだろう?その辺りを探るためにも、この試乗車を活用してもらえらたら嬉しいですね。
20分程度の試乗なら無料ですが、もし長時間乗って確かめたい場合はレンタサイクルとして有料で貸し出すことも可能です。気軽にお問い合わせください。